それでも、愛。
出勤すれば彼氏の顔は見られる。
会話も出来るし、昼食もさすがに2人きりとはいかないが隣に座って食べる事は出来る。
そんな感じの中で私は仕事をする。
他の職員に私達の関係は悟られていないし、仕事にも支障は出ていない。
たまーに社内でキスやSEXもしていたけれど、最近は全くしていない。
もちろん、冷めたとか嫌いになったとかではない。
LINEやほかのツールで毎日愛の言葉を交わしながら、お互いを温めている。
駐車場までの短い距離を月を見ながら一緒に歩いたり、すれ違いざまに小さな声で「愛してる」と囁き合ったり、そんな事をしながら毎日彼氏と恋してる。
来月は彼氏の誕生月。
そして、再来月は私の誕生月。
どちらかの月に、2人で誕生日を祝いたいと彼氏からLINEがあった。
お互いのパートナーが仕事の日、少し遠くのラブホで落ち合って、数時間の間ただひたすらに己の欲望のままに愛し合う。
きっとそんな私達の誕生日会になるだろう。
言葉じゃ伝わらない、伝えられない、やや重度の不安症で怖がりの彼氏。
私に伝えたい自分の愛を、性癖をあらわにしたSEXで私にぶつけてくる。
私以外を知らない男。
自分を抱こうとした彼を「気持ち悪いから」と拒絶したパートナー。
情けで彼女を自分の妻にしたと言うけれど、それも彼氏が自分で決めた1つの愛の形。
愛には色んな形があって、それぞれの事情や物語や言い訳を含んでいる。
それも愛。
これも愛。
それでも愛。
私と彼氏の中で生まれたこの愛、私は私の心のままに愛したいように愛して育んでいく。
それが、私の愛し方。