痛々しい話。
数週間前の事。
彼氏が パートナーの鬱っ気がひどくなってきたんだと口にした。
鬱っ気はもともとあったようで、ここ数年は特に正社員になる試験に落ちる度にひどく落ち込んでいたそうだ。
有名デパートでパートしてるって聞いていたけど、正社員を目指していたのは初めて聞いた。
で、それが私に何の関係があるのだろうと思いながらとりあえず話に耳を傾ける。
鬱っ気が酷くなって仕事を辞められたら、正直、今の職場での給料だけじゃやっていけない。
自分も新しい職場を探さなくちゃならなくなる。
職場を変えたら貴女に会える時間がもっと減ってしまう。
そんなの耐えられないよ。
それを聞いて、私はちょっと複雑な気持ちになった。
私達の関係はW不倫。
家族ごっこに付き合うこともあるけれど、あくまでも私は恋人。
だからこそ彼氏の口にする「来世」という寂しさを誤魔化すための夢物語に一種の面白みを感じる事が出来る。
でも、今のその話は単なる彼氏の家庭の話であって、恋人の私に話す意味はあるんだろうか?と正直、思ってしまった。
依存しあえる事は悪い事でもおかしい事でも恥ずかしい事でもないけれど、お互いのパートナーの事まで含めた「生活の舵取り」は誰かに依存するとかではなく、自分達の「判断」の下に成り立たせる事だよね。
自分達で判断して選択をして生活していくもの。
仕事を辞めて欲しくないから、家事手伝いをもっと頑張って、少しでもパートナーの負担を減らして、これ以上、鬱っ気が酷くならないようにするね。
貴女との時間を守るから。
そう話す彼氏が何と言うか…痛々しい。
この人はこうやって色んな事に向き合わないで生きていくんだろうな。と思った。