こんな私だっていいじゃない!

人を気持ちよくさせることで自分を守ってきました。でも、そんな生き方は私にとって幸せじゃない。むしろ自分が可哀そうなんだ!ってやっと気づく事が出来ました。

10年後も20年後も30年後も。

10年前の私の全財産は36万円だった。

小学生の息子をかかえ、15年間夫婦をしていた男と別れた。

男とその男の両親と住んでいた家から出てきた私を実家は迎え入れてはくれなかった。

母は私をキチガイと呼んでいたが、幸いなことに私の息子を溺愛していた。

私と別れる事になる直前までその男とその姉は私の実家から甘い汁を吸っていた。

後になってその事に気が付いたのだが、その時には…もうとんでもなく遅かった。

 

私は男と別れる最後まで、男とその一族の為に尽くした。

それが私の求められている事なんだ。

人として当たり前の事なんだ。

そう信じて疑いもしなかった。

そんな世界に私は生きていた。

 

3・11から10年。

テレビから流れてくる10年前の映像を眺めながら、ふと10年前の自分のいた世界の事を思い出した。

 

男と別れ、その男の血をひいた私の愛する息子はあと何年もしないうちに成人になる。

この10年、少しずつだが貯金も出来た。

家も建てたし、車も新しくした。

もう1人子供も授かり、充分とは言えないかもしれないが教育も受けさせる事も出来ている。

温かい食事に困る事もなく、仕事は大変だけれども体を壊すほどではないし、愛する彼氏もいて幸せだ。

 

不謹慎かもしれないが、あの3.11があったからこそ私は今の幸せも手に入れる事が出来たのだ。

10年前にもそれなりに自分は幸せと思っていた瞬間はある。

ただ、今の方が心底幸せだと感じている。

 

20年後も30年後も私は幸せの中にいる。