こんな私だっていいじゃない!

人を気持ちよくさせることで自分を守ってきました。でも、そんな生き方は私にとって幸せじゃない。むしろ自分が可哀そうなんだ!ってやっと気づく事が出来ました。

バレたらごめんね。

 

久しぶりのホテルデート。

ただただ体を重ねあうだけの時間。

ただただお互いの愛を紡ぎあうだけの時間。

むさぼるようにキスをして、息ができないほどに抱きしめられる。

 

恋焦がれた時間の中で、全力で愛し、愛されてきた。

 

そんな中、不意に彼氏が呟いた。

「バレたらごめんね。

でも、もうバレたらバレたでその時考える。」

 

私達の関係は1度奥バレしている。

だが、正直、彼氏の同居人がどこまで詳しく私達の仲を知っているのかは分からない。

普通、彼氏にこんな事を言われたら女は不安に思うのだろうけど、私は1ミリも不安になんてならなかった。

信じているとかそういうものじゃなくて、単純に無責任に不安に思わないだけ。

なんの根拠もない。

 

彼氏はあの時から変わらず私を愛しの妻と呼ぶ。

 

愛しているよ。俺の愛しの奥さん。

俺達は夫婦なんだから、ずっと一緒だよ。

 

そう言う彼氏の背中を見送る。

ごっこ」でもいい。

彼氏がそう望むのなら、それはそれでもいいと思う。

 

彼氏に強く抱きしめられた時の感覚を時折思い出しながら、私は彼氏ではない夫と子供達のために夕飯の支度をしている。