こんな私だっていいじゃない!

人を気持ちよくさせることで自分を守ってきました。でも、そんな生き方は私にとって幸せじゃない。むしろ自分が可哀そうなんだ!ってやっと気づく事が出来ました。

予告無し

私の直属の上司であった彼女がもう会社に来る体力すらなくなってしまった事を、社長の秘書達のなんてことない会話の中で知った。

 

数日前に彼女から、いくつかの業務内容を箇条書きした1枚の紙を渡された。

そしてその次の日に

「分からない事、あるかな?」と薄い白の色の顔をして弱く弱く微笑んでみせた。

 

彼女は自分の仕事を他の人間に携わらせる事を好まない。

そして、彼女の持つ「強み」はこの業界では大きな影響力を持っていたので、今のこの会社もこの業界に進出する時から彼女の力に大いに頼っていた。そしてそんな彼女を社長は大いに可愛がっていたのは有名な話…。

と同時に彼女の上司達にとっては目の上の大きな大きなたんこぶにもなっていた...とも聞いている。

 

そんな彼女の仕事を私はもちろん、誰一人こなせるわけはないのだが...。

白旗を挙げるわけにもいかず、結局唯一同じ資格を持つ私が彼女の後を継ぐ事になったのだ…。

 

こうやって全ては予告なく始まった。